コールセンター研修、クレーム対応研修、苦情応対、電話応対、NOの伝え方、相手を怒らせない言い方

顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方のコツNo.13

2019年08月07日コールセンター応対力 コラム顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方

コールセンタークレーム対応研修

13.相手の言葉を鵜呑みにしない

先入観なく人の話を聞けるのは、すばらしい能力です。
先日、こんな失敗をしました。新宿で人と待ち合わせていたときのこと。南口と言われ、待っていても一向に待ち人こずでした。携帯に電話すると、相手も待っていると言うのです。実は、南口には、新南口・南口・東南口と改札が3つあり、相手は南口で、私は東南口で待っていました。南口と言えば、東南口という完全に私の思い込みによるものでした。
ついつい「どうしてわかってくれないのか」と思い、相手を責めたり、悲劇の主人公になってしまいがちです。生まれも育ちも身を置く環境は人それぞれ違うからこそ、考え方も違って当然という当たり前のことを忘れがちです。

自分の価値観で話を聞き始めると、さっぱりかみ合わない会話という構図になります。自分の価値観で話すことの弊害は意外に多いものです。思い違いや勘違いをして当たり前のところから、コミュニケーションはスタートです。

いくつかの事例をお話しましょう。業界によって言葉の使われ方が違うということはよくあることです。3月に東日本震災が起こりました。毎日のニュースで、「被爆値をモニタリングしたところ・・・」という言葉が流れていますが、コールセンター業界における「モニタリング」はお客様と応対者の会話のやり取りを聞くという意味で使われています。何となくわかる場合もありますが、カタカナ英語は特に注意が必要です。
15年前に外資系企業に提案に言った時のこと。「うちはベンチマークに力を入れていて」と言われました。私の頭の中には、公園のベンチが出てきてしまい、その後の話が聞けなくなりました。研修の場面でも、マネジメントやリーダーシップ、ミッション、ビジョンという言葉ほど、相手と自分に温度差が生じていることを痛感します。マネジメントひとつとっても、部下との接し方なのか、部下の管理の仕方なのか、部下の士気なのか、仕事の任せ方なのか、人それぞれの見解があります。曖昧なことほど、コドモのように、「なんで」「なんで」「なにそれ」とは聞いてくれず、オトナは自分の理解で収めてしまう特徴があると思っていた方が良いでしょう。

価値観もそうです。「営業は足を使って汗をかいてお客様のところに何度も行くもんだ」と仕込まれた人と、「お客様のニーズを科学的に分析し提案する」と仕込まれた人では、営業としての考え方が違って当然です。両者ともに、そのやり方で実績をあげてきているのすから、どちらが正しい・間違っているという次元ではありません。
その他、「目下のものから挨拶はするべきだ」「電話でなく直接謝罪にくるべきだ」「お茶は女性が出すべきだ」「女性は家にいて家庭を守るべきだ」「休みの日ぐらい家庭サービスをするべきだ」「浮気は絶対すべきではない」など・・・「べき」論を語ったらたくさん出てくるでしょう。自分の常識でくくられ、同じ価値観の人と過ごせれば問題は起こりません。そう思っていない人が目の前に現れ、あなたに怒りをぶつけてきたとしたらコミュニケーションをとるのが難しいのです。

お客様が「誠意を見せろ」という言葉を使って怒ることがあります。「誠意とは何か」です。
「誠意」=「お金」と感じ、「そのような金銭をお支払いすることはできません」と強い調子で責任者が答えました。それに対し、お客様は、「私が言っているのは気持ちのことですよ、たとえ1万円もらったとしても私がこんなに嫌な思いをしていることに比べたら非にならない。私が1万円支払うから、できないの1点張りじゃなくて、私が気持ちよく諦められるような言い方をしてくれないですか」とお客様は悲しそうに伝えていました。せめて「誠意とはどのようなことでしょうか」と意味合いを確認すればこのような悲劇は起こらなかったかもしれません。
思い違いは常にあるものです。だからこそ、すぐに判断するのではなく、自分の考えが相手と同じか確認することや、自分の考えとしっくりこないときには、どうして相手がそう思ったのかを聞くことが、間違いを防ぐのにつながります。

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