顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方のコツNo.17
2019年08月07日コールセンター応対力 コラム顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方
17.助け船を出す
助け船を出すということは、相手が困っていると感じた瞬間、相手の一歩先を見据えて言葉をかけていくことです。商品の在庫がないと伝えた後のお客様が「う~ん」と悩んでいたら、欲しい商品がなくて困っているのです。
「困っている」状況を察するというのは、能力ではありません。いかに相手に興味を持っているかどうかだけです。「注文を聞くのが仕事」という気持ちであれば、「早く決めてほしい」というイライラした思いが生まれてくるでしょう。そこには作業だけしか存在せずに仕事の意味が伴っていません。
最近、あれこれそれなどの指示語を使うことが多くなりました。「あの人誰だっけ」と芸能人の名前が出てこないことに始まり、仕事でも「あれどうなった?」とスタッフに話しかけています。スタッフは困りながらも、今している仕事の内容や、興味のあるテーマを察し、「報告書ですか?」と声をかけてくれます。私の言葉が欠如している分、受け取り手が補足してくれ会話が成り立っているのです。あれ・これ・それは、誤解を生む表現なので避けるべきなのですが、この「察する」という日本独特の気遣いの文化は素晴らしいものだと感じます。
もし、あなたの一番大切な人から電話がかかってきて、大切な人が困っていたら何とか助けたいという気持ちが湧いてくるでしょう。「相手に喜んでもらうのが仕事」という気持ちであれば、「似たような商品をお探ししましょうか」「どのような商品をご希望ですか」という一歩相手に踏み込んでいく姿勢が生まれます。相手は困っている状況の場合に、私たちはどのように聞き、会話を続けたらいいのでしょうか?ここでご紹介するスキルは、「助け舟船の出し方」です。
■助け船を出す場面
会員番号を読んでくださいと伝えたが、「え~と」とお客様から番号が返ってこない
⇒会員番号が分からりません。電話番号や他の検索で調べる方法を提案してください
契約番号を教えてくださいとお願いし、「隣の部屋に取りに行ってくる」と行こうとした(別の検索方法がある場合)
⇒別の方法があるならすぐにその案を提案した方がお互いに時間の節約です。
自社商品(漢字やカタカナ)を言おうとするが、途中でつっかえてしまう
⇒言いづらいのです。「・・・ですね」とこちらがリードしてください。
話が支離滅裂になっている
⇒上手く言えないのです。「ここまでのお話で私が理解したことは・・・」と前置きをして整理してください
悩んでいる・考えて沈黙になる
⇒待つことも必要です。頭の中で情報を整理しています。電話の場合は、「私の説明が足りないところはありませんか」と質問してください。
電話の後ろから、ピンポーンという声が聞こえた
⇒このまま話し続けてもよいか、相手の都合を聞いてください