コールセンター研修、クレーム対応研修、苦情応対、電話応対、NOの伝え方、相手を怒らせない言い方

顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方のコツNo.20

2019年08月07日コールセンター応対力 コラム顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方

コールセンタークレーム対応研修

20.背中を押す聞き方をする

「どっちの洋服がいい~」と奥さんに聞かれても、真剣に考え「こっち」と回答してはいけないという教訓を聞いたことがある人は多いでしょう。私の経験で言えば、人に尋ねるときは7:3の割合で決まっています。3の割合を選ばれると、「なぜそう思う」としつこく聞いたりします。相手の回答が「何となく」だった場合には、7の割合を選びます。じゃぁなぜ聞くのか・・・それは自分が選んだ方に同意してほしいのです。背中を押してほしいだけのことが多いのです。

ちなみにこの質問をされた時には、「どっちがいいと思うの」と逆質問で返しましょう。「こっちは色が華やかだけど型がぴったりしているし、こっちは色は地味だけどふんわりしているから着心地がいい、やっぱりこっちかなぁ」という声を聞いた後に、「そう思う」と同意してあげればご機嫌です。

相手の話を聞き解決してほしいと思いアドバイスしてしまいがちです。しかし、そのアドバイスが逆効果になることもあるのです。私が作った造語ですが、同意脳と解決脳という言葉があります。

同意脳は、相手の話に同意をすることをさし、相手の気持ちを理解する言葉をかけることです。解決脳は、相手の話を解決することをさし、物事を解決するためのアイデアや解決策を行うことです。相手が怒っている場合には、同意脳を使い、十分にあなたの気持ちを理解していますことを示し、その上で解決脳へ移っていくステップが望ましいのです。

ある夫婦の会話を示します。
怒っている奥さんの話に続き、ご主人の一言目に着目ください。

ある夫婦の会話

奥さん:「ちょっと聞いてよ。隣の奥さんたら、お互いに仕事をしているから助け合ってゴミだしの当番は一緒にしましょうねって言ったのに、いつも朝こないのよ。私ばっかり。今日も私がゴミ用のネットを出し終わったところに、ごめんなさいねぇ~って。私だって仕事に遅れないように朝、段取りしているのに、私がするのが当然みたいな顔して言うのよ」

ご主人:「月水金は奥さんにとか、当番制にしたらいいんじゃない」

奥さん:「そういうこと言ってるんじゃないのよ」

ご主人:「・・・・・・」
この奥さんは、ご主人に「大変だったね」と感情を合わせてほしいだけで、アドバイスを求めているわけではありません。ご主人の「当番制にしたら」という提案はもっともです。ただ、奥さんは物事を解決するためにご主人に話しているわけではなく、ただ聞いて味方になってほしいのです。「約束ごとを文書にしたら」「遅れていけばいいんだよ」「夜出して準備しておけば」「隣の奥さんに直接言ったほうが伝わるよ」など物事を解決するため、第三者の善意のアドバイスがほしいのではありません。奥さんも直接言えれば苦労しません。ご主人は問題を解決することに重きが置かれていますが、奥さんは複雑な人間関係の中で、自分が責任を果たしていることに着目してほしいのです。

これはビジネスにも当てはまります。
ビジネスの場面では、せ・か・し・てワードは禁物です。
せは説明、かは確認、しは質問、ては提案です。
これらは解決策を示すための行動ですが、その前にすることが背中を押す言葉をかけてあげることです。

■オールマイティワード

「そうだったのですね」「そのようなことがあったのですね」

■一般原則として同意する

「私もお客様の立場でしたら(そのような状況でしたら)、そう思います」

■相手が言った言葉の事実を繰り返す

「・・・と言っていて話が違うということですね」
「3時までに連絡するという約束だったのですね」

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