顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方のコツNo.21
2019年08月07日コールセンター応対力 コラム顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方
21.相手の怒りを生む言葉を避ける
知らず知らずに相手が怒っているのではなく、私たちが使う言葉で怒らせていることもあります。怒っている相手に使わない方が代表的な言葉を紹介します。
「だって」・「でも」・「それは」
相手をこれから批判する、または自分を正当化しようとする前触れの言葉です。この接続詞を使わなくても意味は通じます。相手に不要な警戒心を与えることになりますので、出そうな時はグッとこらえ呑みましょう。
「おそらく・・・と思います」
あいまいな返事はしないはしないことです。「不確かな知識しか持ち合わせない頼りない担当」や「責任をとろうとしない逃げの姿勢」のように捉えられます。自分が判断できない場合は、自分では判断できないことをお客様に伝えたうえで、お待ちいただいて確認するか、折り返し電話にするなどの対応をします。
「一応」「ちょっと」
軽い表現です。「一応」の本来の意味は、「十分とはいえないがとりあえず」「ひとまず」「ともかく」(大辞林より)という雑な扱いの意味です。「一応調べてみます」「ちょっと調べてみます」という具合に使われ、自分の件が軽く扱われている印象を与えます。
「お分かりいただけましたか」
能力を問う言い方です。特に連発しないように注意が必要です。何度も繰り返すと、「あなたの能力で・・・」という見えない前置きがあるように聞こえます。「ご不明な点はございませんか」と尋ねるほうが一般的でよいでしょう。もし、この言葉を使う場合には、「私のただいまの説明で」など、前置きして言葉をつなげれば柔からな印象を与えることができます。
「先ほども言いましたが」
相手を馬鹿する表現です。「さっきも言ったのに聞いてなかった?」「じゃもう1回言うよ」という気持ちが込められています。お断りの場面で見受けられることが多いですが、相手は断りの内容が分からないのではなく、納得できず食い下がっています。
「調べてみないと分からないんですが」
反論が返ってくる言葉です。「じゃ、調べてよ」と次に言われるでしょう。調べたくないのか、面倒くさいのか、などマイナスの印象を与え、相手からの反撃にあうことでしょう。
「できます」
安請け合いはしないことです。自分ができる範囲とできない範囲を明確に理解し、できることだけ言うことです。その場しのぎにできないことやできるかわからないことを約束してしまうと、その時点では確かにお客様は納得してくださるでしょう。しかし、約束したことを守れなかったことが発覚した場合は、さらに大きな問題となります。
「私どもでは・・・のようになっております」
正論をふりかざしているように聞こえます。そんなことは聞いてないとお客様は初めて耳にすることもあるでしょう。正論はお客様にとってみれば、理解はできるが、納得できないものです。お客様が納得いただける言い回しを考え伝える必要があります。
「けど」・「ですが」
けんかを売る表現に聞こえます。「・・・ですけど」の後に「何か?」が含まれています。お客様からすれば「否定」されているようなニュアンスに受け取る方も少なくありません。
請求書をいつ送ったかと尋ねられた場合・・・
A 「はい、昨日発送しました」
B 「はい、昨日発送しましたけど」
引き落とし日を尋ねられた場合・・・
A 「来月の5日です」
B 「来月の5日ですが」
19.相手の怒りを買う十カ条