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顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方のコツNo.8

2019年08月07日コールセンター応対力 コラム顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方

8.最初の30秒を乗り切る

今までの1-7のルールを使えば、最初の30秒が乗り切れます。
まずは初期にどのように動けばよいかわかれば、あなたの怒られグセは半分も解消されたと同じです。何事も「初動」が大事です。

「初動が大事」ということをもう少し解説しましょう。
初頭効果という言葉を聞いたことはありますか?最初の印象が後々続くというものです。遅刻してだらしないという印象を持った人の印象が変わるのには、その後少なくも10回は時間前にきっちりくることを繰り返し、上書きする必要があるのだそうです。人の印象はすぐには変わらないということを意味しています。最初の30秒で嫌な印象を持たれたら、その後の対処に悪影響を及ぼします。好きな人からのお願いは即YESでも、嫌いな人からのお願いには返事を先延ばしというように、人間は感情の動物です。電話でも対面でも、最初の30秒で怒っている相手と良い関係が作れれば、その後の話し合いがうまくいく確率がグッと上がるのです。まずは、その30秒をどのように乗り切るかです。前のルールで述べた新人が慌てた実例で示しましょう。

「今日の午前中と約束していた資料が届かないですよ、どうなっているんですか!!」に対して何と言うかです。さて、あなただったら、何と言いますか?

相手と良い関係づくりをするために行う3つのこと

相手と良い関係づくりをするために行うことは、3つです。

1.まず一つ目は、相手が怒っている内容を繰り返してください。
2.そして、全責任を引き受けることなく、相手の気持ちに対してだけお詫びをします。
3.最後に解決するために必要事項を質問するというものです。

これを会話調にしてみますと・・・
「本日の午前中とお約束した資料がまだお手元に届いていないということですね」
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「すぐお調べしお届けできるようにいたしますので、お名前を教えていただけますか」
という会話の流れになります。

ついつい、「もっ申し訳ございません、誰と約束したんでしょうか?」などと慌てて伝えてしまいがちですが、最初のポイントは、正しく相手の言い分を理解しているかです。そのためには相手が言ったことを繰り返します。ここで事情が込み入っていたりすればなおさら、相手の言い分と自分の理解が正しいかを確認しておく必要があります。

内容を繰り返す

多くの人、経験がある人ほど、この「復唱」というステップを抜かします。起こっている事態に対して解決のあたりがつくからです。冒頭に関係構築のための30秒と言いました。必ず復唱後の相手の返事はYESです。なぜなら、相手が言ったことを繰り返しているからです。単に用件を理解するだけでなく、相手にYESと言ってもらうことがポイントなのです。YESを積み重ねると、相手は「この人は私の言い分を分かっている」と思ってくれるのです。それこそが関係構築の始まりです。

お詫びする

さて、次のポイントです。想像してみてください。本日資料をもらって何かに役立てたかったのに肝心の資料は届かず、相手はイライラしています。怒っている相手の気持ちをイメージして、相手の気持ちに対してお詫びします。全責任を引き受けることなくというのは、もしかしたらお客様の勘違いということもあるからです。こちらに非がないのに謝ったら責任をなすりつけられると思っている人も多いものです。非がどちらかにあるかはこの段階では分かりませんからさておいて、たとえお客様の勘違いであったとしても、不安・心配・イライラなどの思いはしています。その気持ちだけに焦点を当てて謝罪をします。ここでも相手から、「ホントだよ、こっちは朝から待っていたっていうのに」などとYESの反応が返ってくるでしょう。

質問する

最後には解決するために相手に聞くべき質問を投げかけます。その際いきなり、質問をするのではなく、「相手のメリット+質問事項」という構成で伝えます。何のために、このケースですと、「今自分の資料がどんな状態か知り、手元に届くため」の部分がメリットです。快く回答してもらえるでしょう。30秒の3ステップで3つのYESを相手に言ってもらったことで、あなたは自分にとって友好的な人間だということが相手に伝わっているのです。

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