コールセンター研修、クレーム対応研修、苦情応対、電話応対、NOの伝え方、相手を怒らせない言い方

顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方のコツNo.9

2019年08月07日コールセンター応対力 コラム顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方

9.怒られグセを減らし、喜び脳に作り変える「場」を作る

「なぜだか私はいつも怒られる」という人がいます。私もそんな一人でした。
自分がミスを連発してしまうからか、それとも言いやすいのか、当時の私には原因は良く分かりませんでした。お客様にも上司にも毎日怒られていました。すると、怒られるのが「普通」になってきます。怒られるのが「普通」になると、「一生懸命してもどうせいつも失敗するに決まっている」と変な自信がつき、卑屈になっていました。気持ちも縮こまり、小さくなり、いつも慌てていました。この慌てが、さらに上司の苛立ちを生み、悪循環の日々でした。そんな私がこの悪循環から抜け出せたのは一つの出来事があったからです。

私は今、「電話応対」を教えることを生業にしています。電話応対を教えるなら、まずは自分の電話応対を認められるようになりたいと考えました。電話コンクールという電話応対の甲子園のような大会があることを知り、参加しました。参加を決めた時、上司からは、「この大会で何にも賞を取れなかったら講師の道はあきらめた方がいい」と言われ、退職を覚悟し背水の陣で臨みました。26歳の時のことです。朝起きてから、夜の寝言でもコンクール問題に取り組んでいました。そして、地区大会、東京大会、全国大会と駒を進め、全国大会で優秀賞をいただきました。何をやってもダメな自分から、頑張ればできるかもしれないという自分への確信が徐々に生まれました。全国大会で賞をいただいた時よりも、最初の地区予選で勝った時の方が遥かに嬉しかったのです。勝つプロセスを人生で初めて体験し、「自信」をもらったのです。
空回りしていた日々、「もっとポジティブに考えよう」と誰かからアドバイスをもらったとしても変わらなかったでしょう。私は急に考え方が変わったわけではありません。考え方が変わる「場」をもらったのです。

考え方のプロセスを変えるだけで、脳に健康的な化学反応が起こります。
脳にはさまざまな働きをする物質があり、私たちの健康と密接なつながりを持っています。
アドレナリンという物質は、恐怖や不安を感じた時に分泌されます。ノルアドレナリンという物質は、怒りを感じたときに分泌されます。これらは自分が怒っても出ますし、怒られた側で怒りや恐怖を感じた時にも出るのです。一方、ドーパミンは、快感や喜び、やる気などを感じた時に分泌される物質です。セロトニンは、幸福感や満足感を作り出す脳内物質です。精神を安定させる働きがあり、不安になるとノルアドレナリンやドーパミンを減少させて「癒しの効果」を作り出すといわれています。セロトニンが不足すると様々な依存症になったり、うつ病になりやすいのです。

怒られた時、無意識に脳内から有害な物質が出ることによって病気になっていくのです。それを防ぐには「怒り」に対して自分自身の脳の状態を考え、意識的に脳に働きかけていくことが大切だと言えるでしょう。あのまま私は怒られ続けていたら、アドレナリンが出すぎて病気になっていたかもしれません。

ミシガン大学の心理学者ポール・ピアソールは「脳は人体最大の内分泌線でここで分泌されるのがサイコケミカル(感覚や意識に変化を起こさせる物質)である」と言っています。ピアソールは自分中心の考え方ではなく、他の人々の幸福に関心を寄せることができることが喜びの基本であると言っています。

自分がつらい状況のときに人の幸せなんて考えられる余裕はありませんでした。ところが自分に自信がついてくると、心に余裕が生まれ、人に喜んでほしい、笑顔になってほしいと自然に思えるようになりました。不思議です。

怒られグセがついている人は、趣味でも遊びでもテーマは問わず、小さな目標を立て、それをやり遂げる「場」を作ってほしいと思います。考え方を変える場を作ることをお勧めします。

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