コールセンター研修、クレーム対応研修、苦情応対、電話応対、NOの伝え方、相手を怒らせない言い方

顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方のコツNo.11

2019年08月07日コールセンター応対力 コラム顧客の怒りを一瞬で鎮める聴き方

11.怒りを鎮める会話割合は7:3にする

相手が最初から怒っている場合には、会話がスタートしてから7割は話を聴くことに費やしてください。10分の会話だったら、7分は聴き、残りの3分があなたの主張を伝えるという会話割合です。企業にはNOと言わざるを得ないケースもあります。お客様の言い分に言い返す材料がなく、NOを繰り返さなければならないなど、難易度が高いクレームであればなおさらです。

具体例を示しましょう。あなたがTVを買いたいと思い、クレジットローンを組むことにしました。ところがいざクレジットを申し込むと審査に通らないと言われました。「そんなわけはない。カードはたくさん持っているし、今までに審査に落ちたことはない。勤続年数だって10年働いている。なぜ通らなかったのか」の理由を自問自答する。何かの間違いかもしれないと思い、電話をかけてみる。そして電話に出た応対者が言う言葉に愕然とする。「残念ながら・・・意に沿えない結果となりました」

 第三者としてその会話を聴いていると、「なぜ審査に通らないのか」とお客様と同じ突っ込みを心の中でしています。断るには理由があるだろう、つまりなぜ今まで審査に落ちたことがないのに、今回は通らないのか?という「ごもっとも」なツッコミに答えていない。さらにその後、理由を聞いてみるが企業秘密とやらで教えてくれない。 

その後のお客様の行動は2パターンです。
あきらめて電話を切る、つまりこの会社でクレジットを組みTVを買うこといったん取りやめるパターン。もう一つはあきらめきれずに、罵倒したり取り乱すパターンです。後者はお客様だけでなく応対者も嫌な思いをしています。なぜなら審査は応対者の一存で決められるわけではなく、会社側のルールで決まっているからです。そのルールも審査内容は説明する責任がなく企業秘密で構わないと法的に決まっています。担当者にとってみれば、お客様はなかなか納得しない、ただの「わからず屋」です。一方で自分がお客様だったら容易にこの事実を受け取れないだろうということも分かっています。だから本音を言えば「やっかいな電話をとってしまった・・・」という感情が湧きおこり、「できないものはできない」という言葉しか投げかけられず、押し問答が延々と続くのです。

そもそもここで必要となるのは、「できない」と伝える前に、お客様のローンが組めないという思いや状況を吐き出してもらうことです。その割合が7割なのです。そのことを研修で伝えると、担当者は精神的に気持ちが楽になったようです。「断固NO」から、まずは「吐き出してもらう」というモノの見方に変わり、応対がガラッと変わりました。実はこれが怒りを納める会話割合のポイントです。

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